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花椒と花山椒の違いは?売ってる場所・販売店や代用方法を徹底解説

花椒と花山椒の違いは?売ってる場所・販売店や代用方法を徹底解説

こんにちは、私です。麻婆豆腐や担々麺といった四川料理の刺激が好きな方なら、一度は「花椒(ホアジャオ)」という名前に惹かれたことがあるのではないでしょうか。一方で、和食の献立や料亭のメニューで見かける「花山椒(はなざんしょう)」という名前。どちらも「花」という漢字が入っているし、なんだか同じようなものかな、なんて思ってしまいがちですよね。

ネットで検索してみると花椒と花山椒の違いについて、植物学的な分類から味の強さ、さらには市場での流通価格に至るまで実に多様な情報が出てきます。特に花椒と花山椒の違いに関する成分の差や、代用ができるのかといった疑問、さらには赤花椒と青花椒といった花椒の中での違いなども気になるところですよね。

この記事ではそんな皆様の「どっちが正解?」という迷いに寄り添いながら、プロの視点ではなく、あくまで料理を楽しむ一人のファンとして花椒と花山椒の違いをどこよりも詳しく、そして誠実にお伝えしていこうかなと思います。これを最後まで読めば、もうお店で迷うことはありませんし料理のレパートリーもグッと広がるはずですよ。

この記事でわかること
  • 中国大陸の刺激を象徴する花椒と日本の春の贅沢である花山椒の根本的な正体
  • 植物学的なルーツや育った環境の違いが生み出す風味の決定的な差
  • 痺れの強さや香りの質を左右する成分の性質とその使い分け術
  • 市場価格や希少性から見た、それぞれの食材が持つ価値と賢い付き合い方
目次

花椒と日本の花山椒はいったい何が違う?

花椒と日本の花山椒はいったい何が違う?

四川料理の刺激を担う花椒と和食の高級食材である花山椒。似た名前を持つ花椒と花山椒の違いを、植物学的なルーツや成分、驚きの価格差まで徹底比較します。意外と知らない花椒と花山椒の違いや代用の可否を学べば、料理の幅がグッと広がります!使い分け術を知りたい方は必見です。

花椒と日本の花山椒は何が違う?名前の由来と決定的な役割の差

花椒と日本の花山椒は何が違う?名前の由来と決定的な役割の差
イメージ図

「花椒」と「花山椒」。同じ「花」という漢字を含みますが、これらは全く別物の食材であることをご存知でしょうか。混乱を招きやすい両者の違いは、植物としての部位と文化的な名付けの背景にあります。

中国原産の花椒(ホアジャオ)は、実は植物学上の「花」ではありません。熟して赤くなった実が割れ、その形が「花が咲いたように見える」ことから名付けられた比喩表現です。私たちがスパイスとして利用しているのは、その実の殻にあたる「果皮」の部分です。

対して日本の花山椒は文字通り山椒の木に咲く「本物の花(蕾)」を指します。春のわずかな期間にのみ収穫される黄色い小さな蕾で、収穫に多大な労力を要することから、非常に希少価値の高い高級食材として扱われます。

また、植物学上の種も異なります。花椒は「カホクザンショウ」、日本の山椒は「サンショウ」という近縁の別種です。花椒は痺れ(サンショオール)と強い刺激を料理に与える「スパイス」としての役割が中心ですが、日本の花山椒は、繊細な香りと食感を慈しむ「季節の主役」として日本料理で重宝されます。

日本には、春の「花山椒」、初夏の「実山椒(青実)」、秋の「粉山椒」と、四季に合わせた楽しみ方があります。通年手に入る乾燥スパイスの花椒とは、流通形態も用途も大きく異なるのです。代用を考える際は、花椒は「刺激」、花山椒は「季節の香り」を求めているという基本を押さえておきましょう。

※注:花山椒の旬は一般的に4月〜5月頃の極めて短い期間です。地域や天候により収穫時期が変動するため、購入の際は鮮度と産地を確認することをおすすめします。

植物学で読み解く「花椒」と「花山椒」の決定的な違い

植物学で読み解く「花椒」と「花山椒」の決定的な違い
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「花椒も花山椒も、似たような木から採れるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、植物学の視点で見ると、これらには決定的な種(しゅ)の違いがあります。

中国大陸原産の「花椒(カホクザンショウ)」は、主に Zanthoxylum bungeanum という学名で知られています。乾燥した厳しい大陸気候に適応しており、樹高は3〜7メートルと高く鋭い棘を持つのが特徴です。その過酷な環境下で外敵を退けるために蓄えられたのが、強烈な痺れをもたらす高濃度の「サンショオール」。食用にするのは「完熟した実の皮(果皮)」のみで、痺れと力強い香りが最大の特徴です。

対して日本の「花山椒」は、日本固有種である山椒(Zanthoxylum piperitum)の「開花直前の蕾(つぼみ)」を指します。湿潤な気候で育つ日本の山椒は刺激よりも「シトロネラール」などの爽やかな芳香成分が際立ち、樹高も一般的に2〜3メートル程度とコンパクトです。日本の山椒は「木の芽(若葉)」から「花(花山椒)」、そして「実(実山椒・粉山椒)」へと成長のサイクルすべてを愛でる日本独自の文化を築いてきました。

比較項目花椒(カホクザンショウ)花山椒(日本の山椒の花)
学名Zanthoxylum bungeanumZanthoxylum piperitum
主な利用部位成熟した実の皮(乾燥)開花直前の蕾(生・保存)
特徴的な成分サンショオール(痺れが強い)シトロネラール(芳香が繊細)

同じ「サンショウ」の名を冠しながら一方は「実の刺激」を、もう一方は「花の芳香」を極めた存在です。それぞれの植物としての出自を知ることで、料理に合わせた最適な使い分けがより一層楽しくなるはずです。

※栽培環境や品種により、成分量や樹高には個体差があります。

痺れと香りの決定的な違い:花椒と花山椒、どちらを選ぶべき?

痺れと香りの決定的な違い:花椒と花山椒、どちらを選ぶべき?

料理の印象を左右する「感覚」の違い。結論から言えば花椒と花山椒の差は、痺れ成分「サンショオール」の含有量とその質にあります。

中国産の「花椒」がもたらす「麻(マー)」という痺れは単なる刺激ではありません。最新の研究では、この痺れが舌の神経に「毎秒約50Hzの振動」として認識されていることが分かっています。食べた瞬間に「電気が走るよう」と感じるのは、脳が物理的な振動として捉えているからであり科学的にも理にかなった感覚なのです。

一方、日本の春の味覚である「花山椒」はこの痺れ成分が非常に控えめです。主役は痺れではなく、鼻腔を突き抜けるような「圧倒的な芳香」にあります。特に蕾の状態の花山椒はレモンやライムを思わせる爽やかな柑橘系の香りが凝縮されており、その上品さは他に類を見ません。

この特性の違いにより、料理での役割は明確に分かれます
  • 花椒(主役の刺激):麻婆豆腐などの油分が多く、強い辛味(辣)がある料理に最適。刺激が重なることで、味に立体感が生まれます。
  • 花山椒(繊細な彩り):お吸い物や牛肉のしゃぶしゃぶなど、出汁の風味を楽しむ料理に。熱を加えすぎず、仕上げに添えることでその揮発性の高い香りを最大限に活かせます。

自分の舌が今、「重厚で力強い刺激」を求めているのか、それとも「軽やかで繊細なアロマ」に癒やされたいのか。その目的に合わせて選ぶことが、これら二つのスパイスを使い分ける誠実な楽しみ方と言えるでしょう。

※花椒の痺れや香りの強さは、産地や収穫時期、保存状態により大きく異なります。まずは少量から試して、自分好みのバランスを見つけてみてください。

料理の個性を決める「火入れ」の差:花椒と花山椒の使い分け

料理カテゴリー花椒の主な使われ方花山椒の主な使われ方
炒め物・煮込み油に香りを移し、痺れのベースを作る基本的に不向き(香りが飛ぶため)
汁物・鍋物火鍋など、強烈な刺激を付与する仕上げに添える、または出汁に通す
和え物・冷菜ラー油と合わせ刺激を際立たせる佃煮にする、または生のまま添える
肉料理臭み消しとワイルドな風味付け脂の甘みを引き立てる上品なアクセント

調理のプロセスにおいて、これら二つの食材は対照的な扱いを求められます。

花椒はその成分をいかに「引き出すか」が鍵となるスパイスです。成分が油に溶け出しやすいため、低温の油でじっくり熱して「花椒油(ホアジャオユ)」を作る技法が基本。熱を加えることで特有の痺れと芳醇な香りが最大限に引き出されます。仕上げに振る「花椒粉」も、料理の熱によって香りを一気に立ち昇らせるための理にかなった手法です。

一方で、日本の花山椒は繊細な香りを「いかに壊さないか」が最優先されます。香気成分が非常に揮発しやすく、長時間煮込んだり高温で炒めたりすると魅力が失われてしまいます。そのため、提供直前にお椀へ浮かべる、あるいは出汁にさっとくぐらせる程度に留めるのが、その価値を最大限に享受するコツです。

【比較表】料理カテゴリー別の活用法

【比較表】料理カテゴリー別の活用法

和食の技法では「木の芽(山椒の若葉)」を叩いて細胞を壊し、香りを解き放つことがありますが、花山椒も同様に、「食べる直前の瞬間的な刺激」を大切にすることで、その真価が発揮されます。

※注:花山椒の香りは収穫後も急速に失われるため、入手後は可能な限り早く使い切ることが推奨されます。また、花椒の加熱時は焦げると苦味が出るため注意が必要です。

見た目で見分ける!花椒と花山椒の「部位」と「成熟度」の違い

見た目で見分ける!花椒と花山椒の「部位」と「成熟度」の違い

花椒と花山椒は、一見似た名前ですが、その正体は「乾燥スパイス」と「生鮮食材」というほど大きな違いがあります。

まず、私たちが目にする花椒(ホアジャオ)の多くは、成熟した実の「果皮(かひ)」です。乾燥によって果皮が弾けて開くため、小さなボールが二つに割れたような形をしています。花椒の強烈な痺れや香りはこの果皮に含まれる油分に集中しています。内部にある黒く硬い種子は苦味が強く香りがほとんどないため、品質の高い製品ほど丁寧に取り除かれているのが特徴です。

対して花山椒(はなざんしょう)は、文字通り山椒の「雄花の蕾(つぼみ)」そのものです。一粒が数ミリの繊細な蕾が房状に集まっており、色は薄い黄色や明るい緑色をしています。花椒が長期保存可能な「乾燥品」として流通するのに対し、花山椒は春先の短い期間だけ出回る「生鮮品」や、その鮮度を閉じ込めた「醤油漬け」として楽しまれます。

見た目においても乾燥してパリッと砕ける花椒と、柔らかく繊細な花山椒。この形態の差はそれぞれが育った風土と、料理に求められる役割の違いを象徴しています。スーパーや専門店で見かけた際はぜひその造形を観察し、自然が作り出した精緻な構造の中に隠れた「美味しさの理由」を感じてみてください。

花椒や花山椒の違いを知るための価格と希少性の実態

さて、ここからは皆様が実際にお買い物をする際に避けて通れない、非常にリアルな「価値」のお話です。花椒と花山椒の違いは、その市場における価格設定や希少性において天と地ほどの差があります。なぜ一方は100円ショップでも買えるのに、もう一方は「山の宝石」と呼ばれ、一皿数千円の追加料金がかかることもあるのか。その裏側にある経済的な理由を掘り下げていきましょう。

庶民の味方「花椒」と、山の宝石「花山椒」その圧倒的な価格差の理由

庶民の味方「花椒」と、山の宝石「花山椒」その圧倒的な価格差の理由

花椒と花山椒。名前は似ていても、その価格差は「数十倍から、時には百倍以上」にも達します。スーパーで手に入る一般的な花椒が10g数百円なのに対し、国産の花山椒は100gあたり1万〜3万円を超えることもある、まさに別次元の高級食材です。

なぜこれほどまでに高価なのか。そこには「山の宝石」と呼ばれるに相応しい、過酷な労働環境と希少性があります。

花山椒の希少性
  • 完全手作業の極限: 数ミリの小さな蕾を、鋭い棘のある枝から一房ずつ摘み取る作業は機械化できません。熟練者でも一日で数百グラムを収穫するのが限界と言われるほど、効率の低い作業です。
  • 「旬」の短さ: 収穫時期は4月下旬からのわずか1〜2週間。雨が降れば香りが飛び、気温が上がれば一気に花が開いて「花山椒」としての旬を終えてしまいます。この極端に短い収穫ウィンドウが、価格を跳ね上げる要因です。

対して中国産の「花椒」は広大な土地での大規模栽培と機械化された乾燥工程により、高品質なものが安定して供給されています。

日常の麻婆豆腐を刺激的に彩ってくれる「実力派の花椒」と一年に一度、季節の移ろいを舌で感じるための「芸術品の花山椒」。この二つは料理における役割そのものが異なる「別物」として理解するのが、賢い付き合い方と言えるでしょう。

「旬」の短さが生む希少価値:花山椒と花椒の流通格差

花山椒の価格を押し上げている最大の要因は、その「極端に短い収穫期」にあります。

地域や気候に左右されますが、花山椒の収穫期は4月中旬から下旬のわずか2週間程度。さらに、最も尊ばれるのは開花直前の「蕾(つぼみ)」の状態です。このベストなタイミングは一つの産地につき実質数日とも言われ、これを逃すと花が開き繊細な香りが損なわれてしまいます。

対して中国原産の花椒は収穫後に乾燥加工を施すことで、年間を通じて安定した品質で流通しています。この「保存性の高さ」が、世界中で愛用される確実なスパイスとしての地位を支えています。つまり、花椒は「いつでも手に入る定番」であるのに対し、花山椒は「その時期を逃すと一年待たなければならない希少食材」という明確な違いがあります。

入手難易度と主な購入ルート

主な購入ルート
  • 花椒(ホアジャオ) スーパーやカルディ、Amazonなどの通販サイトで、一年中いつでも手軽に購入可能です。
  • 花山椒(はなざんしょう) 4月の限られた時期に、百貨店の高級食材売り場や産地直送サイト、あるいは一部の専門店に並びます。ただし、多くは高級料亭などの業務用(BtoB)として押さえられてしまうため、一般市場に出回る量は極めて限定的です。

もし「花椒をどこで買えるか」とお探しであれば、身近な店舗ですぐに見つけられます。しかし、生の花山椒に出会いたいのであれば、4月のカレンダーに印をつけ、3月頃から予約サイトや産地情報をチェックしておくのが確実に入手するための賢い戦略と言えるでしょう。

※注:花山椒の収穫時期は、その年の気温によって前後します。また、乾燥させた花山椒も一部販売されていますが、生の蕾とは香りの性質が大きく異なります。

代用は可能?花椒と花山椒の「成分」から見る決定的な違い

代用は可能?花椒と花山椒の「成分」から見る決定的な違い

「レシピに花山椒とあるけれど、手元にある花椒で代用できるかな?」という疑問は多いものです。しかし、結論からお伝えすると、花椒と花山椒は「代用には不向き」なほど、その成分の性質が異なります。 無理に代用すると、料理のバランスを崩してしまう可能性が高いため、注意が必要です。

最大の違いは痺れ成分である「サンショオール」の濃度にあります。 花椒は完熟した果皮にこの成分を凝縮させており、強烈な刺激(麻:マー)を料理に与えるのが役割です。一方の花山椒は開花直前の蕾に含まれる繊細な芳香成分を楽しむためのもの。いわば花椒が「味のパンチ力」を担うのに対し、花山椒は「鼻に抜ける優雅な香り」を添える役割です。もし花山椒の代わりとして花椒を大量に入れると、痺れが強すぎて他の食材の味を消してしまいます。逆に、麻婆豆腐などの刺激を求めて花山椒を使っても期待するパンチ力は得られず、非常に高価な割に物足りない仕上がりになってしまうでしょう。

現実的な代用案と注意点

もし、どうしても日本のスパイスで花椒の代わりを探したい場合は、花山椒ではなく「粉山椒(実山椒の粉末)」の方が部位が共通しているため適しています。 ただし、日本の粉山椒は中国の花椒に比べて痺れが穏やかです。少し多めに使用するか、黒胡椒や一味唐辛子を少量加えることで香りと刺激のバランスを近づける工夫をしてみてください。

料理において代用は一つの知恵ですが、これほど性質が異なる食材の場合は「それぞれの個性を活かした別の料理」として楽しむのが、素材を最大限に活かす秘訣といえます。

赤と青でこれほど違う!花椒の個性と「花山椒」への距離感

赤と青でこれほど違う!花椒の個性と「花山椒」への距離感

花椒の世界には大きく分けて「赤花椒(紅花椒)」と「青花椒(青椒)」という二つの柱があります。この違いを知ることで、日本の花山椒との使い分けがより鮮明になります。

完熟した実を使う赤花椒はどっしりと重厚な痺れと、樹木のような力強いコクが特徴です。麻婆豆腐などの濃厚な料理に奥行きを与える、まさに四川料理の「動」の主役です。一方、未熟な実や特定の緑色品種を用いる青花椒(特に香りの強い「藤椒」など)は、レモンやライムを思わせる鮮烈な柑橘香が炸裂します。実は、この青花椒に含まれる「リナロール」や「リモネン」といった成分は、日本の山椒や花山椒が持つ香りと非常に近い系統にあります。

「花山椒のような爽やかさを中華料理で表現したい」という時は青花椒を選ぶのが正解です。日本の花山椒を愛する方が、青花椒入りのオイルを口にして「山椒に似ている!」と驚くのは、植物学的に共通する香気成分が豊富に含まれているからなのです。

ただし、青花椒も花椒である以上、日本山椒より強い痺れを持っています。繊細な出汁に合わせるなら、まずはごく少量から試すのが誠実な調理法と言えるでしょう。「大陸の力強い刺激」を求めるなら赤、日本の花山椒に近い「シトラスの爽快感」を求めるなら青。 それぞれの個性を理解することで、あなたの食卓はより豊かで多層的なものに変わるはずですよ。

※香りの強さや成分比率は、産地や収穫時期、保存状態によって大きく異なります。

香りを逃さない!花椒と花山椒を長く楽しむための保存術

香りを逃さない!花椒と花山椒を長く楽しむための保存術

手に入れた食材の香りを最大限に保つためには、それぞれの特性に合わせた「正しい保管」が不可欠です。

乾燥スパイスである花椒(ホアジャオ)の大敵は、「酸素」「光」「熱」そして「湿気」です。空気に触れると特有の痺れ成分が分解され香りが急速に失われます。開封後は空気を抜いてチャック付き袋や密閉瓶に入れ、冷暗所で保管しましょう。長期保存には冷蔵庫も有効ですが、出し入れの際の「結露」には細心の注意が必要です。温度変化で湿気を含むと、香りの劣化やカビの原因になります。目安として、香りが強いホール(粒)なら半年〜1年、パウダー(粉)なら3ヶ月以内に使い切るのが理想的です。

一方、生の花山椒は驚くほどデリケートで収穫後の寿命はわずか2〜3日。時間が経つほど高貴な香りは失われ、見た目も黒ずんでしまいます。もし一度に使い切れない場合は以下のいずれかの方法で早めに処置しましょう。

  • 醤油漬け・酒蒸し:佃煮状に加工して瓶詰めにする(冷蔵・冷凍可)。
  • 冷凍保存:水けを丁寧に拭き、キッチンペーパーで包んでから密閉袋に入れ、空気を完全に抜いて冷凍する。

解凍後は多少香りが落ち着きますが、炒め物や煮込みの仕上げに使うことで、その魅力を長く堪能できます。

【比較】食材別の保存環境と目安

食材保存の敵おすすめの場所保存の目安
花椒(乾燥)酸素・光・熱・湿気冷暗所(長期は冷蔵庫※)開封後3ヶ月〜1年
花山椒(生)乾燥・酸化冷蔵庫(チルド室)2〜3日以内
花山椒(加工品)光・高温冷暗所・冷蔵庫半年〜1年

※冷蔵・冷凍庫から出した際は、常温に戻してから開封すると結露を防げます。
※保存期間は目安であり、購入時の鮮度や保管状態により異なります。

花椒は「計画的に備蓄できる戦力」、花山椒は「旬を閉じ込めて楽しむ宝物」です。それぞれの性質を正しく理解し、最後まで誠実に使い切ることが、料理をより一層輝かせる秘訣です。

Q&A:「花椒」と「花山椒」の違い 購入前に知っておきたいこと

Q&A:「花椒」と「花山椒」の違い 購入前に知っておきたいこと
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花山椒が100gで数万円もするのはなぜですか?「偽物」や「ぼったくり」ではないでしょうか?

決して不当な価格ではありません。2025〜2026年現在の市場相場でも、国産の花山椒は100gあたり15,000円〜35,000円が適正価格です。
この価格の理由はその「極端な希少性」にあります。収穫期間が1年の中でわずか1〜2週間と短く、鋭い棘のある枝から数ミリの蕾をすべて手作業で摘み取らなければなりません。熟練の職人でも1日に数百グラムしか採れないため宝石のような価格設定になるのです。安価すぎるものは花が開いて香りが落ちたものや、部位の異なる「実山椒」の可能性が高いので注意しましょう。

麻婆豆腐を作るのに、高価な「花山椒」を買うべきですか?

いいえ、麻婆豆腐には「花椒(ホアジャオ)」が正解です。花山椒を使う必要はありません。
麻婆豆腐に求められるのは舌が痺れるような刺激(サンショオール成分)です。花山椒は香りが主役で痺れが弱いため麻婆豆腐に入れても期待するパンチは得られず、かえって繊細な香りが強いスパイスにかき消されてしまいます。本格的な痺れを求めるなら、カルディやAmazon等で手に入る「赤花椒」または「青花椒」を数百円で購入するのが最も賢い選択です。
(参考:[エスビー食品株式会社 スパイス検索] )

花山椒を今すぐ注文したいのですが、年中手に入りますか?

「生」の花山椒は4月〜5月以外は入手不可能です。オフシーズンは「醤油漬け」や「佃煮」を探してください。
生の花山椒は鮮度が命であり収穫直後から香りが飛び始めるため、春の短い期間しか市場に出回りません。2026年以降もこの傾向は変わらず、多くの高級料亭が1年分を予約で押さえてしまいます。もし5月を過ぎて花山椒の風味を楽しみたい場合は、鮮度を閉じ込めた「醤油漬け」などの加工品を選択するのがプロの推奨する代替案です。
(参考:[三越伊勢丹オンラインストア 食品・お取り寄せ])

「花山椒」と「花椒」、見た目で絶対に見分けるポイントはありますか?

「乾燥した皮」か「生っぽい蕾(つぼみ)」かを見れば一目瞭然です。

  • 花椒: パリパリに乾燥しており、赤い実が割れて「殻」のようになっています。
  • 花山椒: 小さな黄色や緑色の「粒(花の蕾)」が房状に集まっています。 特に花が完全に開いて黄色い花弁が見えているものは、香りが弱まっている「格落ち品」です。
高価な花山椒を使いきれません。最も香りを残せる保存方法は?

到着後すぐに使わない分は、キッチンペーパーで包んで「冷凍保存」または「醤油漬け」にするのが鉄則です。
生の花山椒は冷蔵でも3日が限界です。それ以上放置すると高貴な香りが揮発し黒ずんでしまいます。ジップロックに入れて空気を完全に抜き、冷凍庫へ入れれば約1ヶ月は香りをキープできます。さらに長く楽しむなら、さっと茹でて醤油に漬け込む「花山椒の醤油漬け」にすれば、1年を通して肉料理のトッピングなどに活用できます。 (参考:[ハウス食品 スパイス・ハーブの保存方法] )

知っておきたい「花椒」と「花山椒」の違い:まとめ

知っておきたい「花椒」と「花山椒」の違い:まとめ

花椒と花山椒の違いについて、植物学的なルーツから成分、価格差まで詳しく解説してきました。名前こそ似ていますが、その実態は「強い刺激を持つ大陸のスパイス」と「繊細な芳香を纏う日本の春の味覚」という、全く異なる二つの至宝です。

本記事の要約ポイント
  1. 部位の違い:花椒は「熟した実の皮(乾燥)」、花山椒は「開花直前の蕾(生・加工品)」です。
  2. 産地と風味:中国産の花椒は強烈な痺れ(麻)が特徴。日本産の花山椒は上品で爽やかな香りが主役です。
  3. 希少性と価格:手作業で収穫される花山椒は、乾燥花椒と比べても非常に高価であり、春の数週間しか出回らない高級食材です。
  4. 最適な使い分け:麻婆豆腐などの刺激を求めるなら「花椒」、日本料理の繊細な風味を引き立てるなら「花山椒」を選びましょう。

どちらが良い・悪いではなく、それぞれの食材が持つ性質と役割を知ることで日々の料理はより深く、豊かなものになります。スーパーの棚で花椒を手に取る時、あるいは料亭で可憐な花山椒に出会った時にこの記事の内容を思い出していただければ幸いです。

皆様の食卓が、最高の香りと共に実り多きものになることを願っています。

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